ー ポーランド ー
         未知なる土地で飛ぶということ・・・
                          

海外赴任。
ヨーロッパ。
ポーランド

それは、幸運なのか?
それとも、ただ、指をくわえてるだけで
何もできないところなのか?
少なくとも、2003年の世界選手権は、ポーランドで開かれる。

あ、そういえばポーランドと言えば、SZD55、プハッチを
作っているんじゃなかったっけ?結構、盛んなのかも。

赴任地はWroclaw(ヴロツワフ)。ネットで検索・・・わからん。
グライダーメーリングリストで聞いてみる。
うーんよくわからんがポーランドではいくつかは飛べるところはあるようだ。
情報をくれた方々ありがとう!!!

とりあえず、英訳のライセンスを手に未知の国ポーランドへ。
はたして、飛べるのであろうか????

生活、仕事一段落。さてと、行動開始するか。
えーと、ポーランド語でグライダーは”シヴォビッツ”というのか。
ありがとう、ヤツェックさん。ネットで検索。
おおー、すげーあるある。でもポーランド語よめん。
聞いたところによると、大きな町の近くには、必ず滑空場があると言うではないか。
ポーランドすごいぞ!!!

おおー、地元にもあるじゃないか。緯度経度を頼りに、早速ドライブ。
30分後、住宅街の奥の目的地にレーダー発見。


げげー迷彩色は軍事用???

裏に格納庫発見。すげー単座機がいっぱいある。しかも、半分は飛んでいるとナ。


機体は、プハッチ、ボチャン、ピラト、コブラ、ジュニア、ヤンタースタンダードと
すべてポーランド製。


ヤンタースタンダード3は結構かっこいい。

とにかく、英語がしゃべれる人を見つけよう。どうやら、若い人は
4人に1人くらいは何とか通じるようだ。
とりあえず、ディレクターを待てと言われて、数時間待つ。

待った挙句、ディレクターは英語がしゃべれない。おまけに
「シュプレッヘン ドイチェ?」と切り返してくる。
た、確かに大学の単位は取ったけど、あの時は視力のよさで
勝負していたので知っているわけがない。

とりあえず、若い人に訳してもらって、必要書類をもらう。
おいおい、ポーランド語の申し込み用紙じゃないか。

1セットは、ポーランドライセンスへの書き換え用、もう1セットは
ここの入会書だ。

必要書類を書くのに1ヶ月かかって提出。
翻訳ありがとう、ヤツェックさんアゲイン!!
初めて、目の色とか、髪の色とか、顔の形を正式書類に書いた。

ライセンス書き換え料は後払いでいいといわれる。
まさか、「ぼったくり」じゃないよなと思いつつ、値段の解らないまま
必要書類を渡す。なんと、ワルシャワでしか受け付けていないようだ。
ワルシャワはここから300km離れている。とりあえず託すしかないようだ。

書類は提出したが、クラブへの入会は、1度飛んでからと言われる。
ただし、ライセンスなしでは飛べないようなのでライセンスの発行を
待つ。それにしても、手続きがよく解らない。言葉がうまく通じないのではなく
とにかく、段取りが悪い。次の行動がわからず、お金についてもよく解らない。
共産主義だったせいもあり、この国の人はとにかく段取りが悪く、時間が
無駄に過ぎていく・・・。

6月の中旬に提出して一月たっても音沙汰なし。現地の会社のスタッフに
電話してもらい、ライセンスの書き換えは終わっているとのこと。
ただ、ディレクターがワルシャワに行くのが来週なので2週間後に
来いと言われる。

その後、とうとうポーランド免許ゲット!!!!


なんと、英語の併記だが、記入事項はポーランド語のみ。なんだそりゃ!!!
しかも、書き換え料 5PLN!!!!日本円換算 160円!!!!やすー!!
書き換えの手数料は、クラブの規則に決められてないので不要と言う。
サンキュー!!!

来週に、英語のしゃべれるインストラクターを呼ぶから来いと言われる。

次の週行った。
あ、ロバート、メラーさんですか。よろしく。そして、説明が始まった。
この人本当に教官か?とにかく的を得ずにしゃべりつづけている。
しかも、しゃべるだけしゃべって、資料等は何もない。
おいおい、覚えられるわけないだろ。メモを取るが後から見てもわからねー!!
しかも、無線はポーランド語で話せと言う。
おいおい、数字すら言えないのに。
朝から行って、6時間の講義は予想外だった。
そうですか。来週に資料のコピーをくれるのですか。
とにかく、今日は飛べないみたいだ。

その次の週、8時30分に格納庫についた。すべての単座機が用意されていた。
今日は、飛ぶかときかれる。
おいおい、そのために来ているのだよ。と思いつつ「Of course」と返答。
そして、飛んだ



そして、操縦は問題ないと言われたのと対照的に絶望的な注文をされる。
1.ポーランド語の無線をマスターすること。
2.半径75kmの地図を手書きで書いてかおでないと、単座に乗れない
えええええーーーーー!!!!
あと一月で、シーズンは終わりなのに!!!!!
ひでー!!!!

とうとう、6月に行動を開始してから、1度しか乗れずにシーズンは終わった。
冬の間に、地図でも描いてみるか・・・・・・・・・・・・


結局、地図挫折。町は0%と森は30%しか描いてない。
こんなのフライトに持ってく訳ね-だろ!!!やめたやめた!!!

と、あきらめた。そして、ポーランド免許の期限の4月20日は来たのであった・・・・・・・・・


再び、春・・・・・・そして夏。
去年と同じことを繰り返すと思うと、気が進まない。
しかも、免許制度が変わって地元のクラブでは書き換えはもう
対応できないと言われる。とほほ。
ああ、どうしたもんかな・・・・・・

でも、ほんとにヨーロッパにはいい雲があるな・・・・・・・・
ああ、去年はレシノに世界選手権を見に行ったな・・・・・・

あ、そうだ。

レシノに行ってみよう!!!!
ここなら、英語で通じるに違いない!!!

さてと、電話、電話・・・・・・
うーーーん。よく解らないが、どうやらライセンス書き換えも
レシノでしてくれるのか。
行ってみるか。

レシノ到着。
んんんーー???
ヤンタースタンダードがズラリ並んでいるぞ。

ほほー。ポーランド選手権か。

取りあえず、ピストをしているおじさんに聞けと言う。
でも、めちゃくちゃ忙しそうだな・・・
発航が終わるのを待つ。
そして、話し掛けると、別の人に聞けと言う。
ああ、いつものたらい回しか・・・
言われたように別の若い人に聞いたら、教官として、フライトするので
1時間後に、オフィスに来いと言われる。
まあ、待ちますか・・・・・


ふーん。かっこいい飛行機があるな。

で、1時間後、オフィスに行ったら・・・
なにーやつは帰ったのかーーーー!!!!
たいがいにしろよ!!!!
と、途方にくれていた・・・・

そしたら、なんと日本人を発見。東北の斉藤さんだった。
面識はなかったが名前は何回か聞いていた。
この大会に参加しているようだ。
斉藤さんに事情を話したら、滑空場のエライサンに
口を聞いてくれて彼に戻るように連絡してもらった。
待つこと20分。
風呂上りで帰ってきた。てめー!!!と思ったが
目的の手続きをした。
ありがとう! 斉藤さん

3週間後、再びポーランド免許を手にした。
ええー!!120PLNも取るの???去年は5PLNだったのに。
24倍の値段だぜ!!
でも日本円換算4000円でした。ま、いっか。
おお、ステッカーが売ってる、あ、マップも売ってる。
当然、即、ゲット。

そうですか。飛びたい日の前の日にメールをすればいいんですか。
で、メールで連絡。レシノ再び到着。
飛んだ
相変わらず、次のステップがよく解らない。
で、次の日。
単座で飛んだ
さすが、外国人を広く受け付けているだけあって、ポーランド語を強制したり
地図を手で書いたりはいらないようだ。
怖いくらい、何も決められていなく、強制もされない。
次の週も飛んだ
これで、今シーズンは終わってしまった。
ただ、去年に比べたら、少し進歩した。
しかし、まるで満足できるものではなかった。
来年こそは、がんがんいくでーと思った。
−−−本文終わり−−−


本文には書かなかったことや、一般情報を追記します。
1.どこがいいかを念入りに調べる必要がある。それを、怠ると
  自分みたいに時間ばかり過ぎていく。
2.自分を個のパイロットして、安全にかつ迅速にそこに
  適応させる必要がある。レシノは何も強制しない代わりに
  自分のはっきりした意志で行動しないと、何も起こらない。
  何も進まない。少なくとも、一緒に飛んでいる人たちは
  皆、個のライセンサーとしてお互いを尊重している。
  かつ、各国の人が大勢訪れている。話した人は、イタリア人、ドイツ人、
  デンマーク人、日本人、フランス人・・・
3.準備は自分の目的に合わせて完璧にし、かつ自分自身に対して
  冷静であるべきである。好きに飛んでいいということの裏には、
  必要な備え,経験を自分自身で判断しろということだと思う。
  これは、ヨーロッパの文化なのかもしれない。
4.ポーランドはグライダー天国である。大きな町なら、どの町にも
  滑空場があり、タイプを選ばなければ機体数も多い。
  それもそのはず、グライダーは共産圏時代に戦闘機のパイロットを
  養成するために、一般人に非常に安い値段でサービスされていたそうだ。
  今は、民営化されていて値段も上がった。しかし、日本に比べて、だいぶ
  安い。
  

ポーランドについて
 正式名:ポーランド共和国
 国土 :日本の85%
 人口 :3850万人
 言語 :ポーランド語
 首都 :ワルシャワ
 グライダー人口 :知らん

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by Naoyuki HIRAKAWA